忍者ブログ

そして深海魚は夢を見る

たまにしか更新されないのっそり記。基本的に睡眠。
A A A
HOME
2024
09
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30

人生経験といふもの

ちょっと背が伸びた誰か    2012/01/30  EDIT  RES

「…なあお袋」
「んー、何?」
「人生経験ってものを積むと、答えってのは出てくるものなのか?」
「随分漠然とした問い掛けねぇ」
「うん。自分で言った直後にダメだろこれ、と思った」
「まあ、大体何が言いたいかは解るわよ」
「…それも人生経験の差?」
「まあ、ね。これでも20と数年生きてるわけだし
 でも長く生きて、色々積めば答えが得られるわけじゃないわよね」
「…確かに。それだと年寄り最強ってことになる」
「勿論亀の甲より年の功、というのが法螺かというとそうでもないけどね」
「それは俺も同感」
「でまあ、率直に言っちゃうとね」
「ああ」
「私は体格的に出産が大変だと思
「オイちょっと待てなんでそんな話になってるんだよ!」
「…避けては通れない道でしょ?」
「いやまあそれはまあ……まあ、うん」
「彼が気にしてる、或いは気にしているような気がする。葉瑠子の寿命のことを。…そうでしょう?」
「…うん」
「諦めてもらうしか無いんじゃない?」
「……………」
「惚れた晴れたは自分でどうにもならないことよ。自分でもね。だったら、悪いけど彼にはその思いごと人生あるいて行って貰うしか無いわ」
「そんな無責任な…」
「仕方ないでしょ。もし仮にあなたが、私達の誰かが結婚して普通の人間のように生まれてきたとしても…それは今の貴女じゃないわ。葉瑠子」
「……」
「私が今こんな人間でこんな人生を歩んでいるのも、貴女がそうなのも、彼がそうであるのも、誰にもどうしようもないことなのよ。ああ、あと」
「何?」
「人生はいいことばかりじゃないし、必ず物事には表と裏があるのよ。生物は必ず死ぬし、物は壊れる。ちなみに貴女の身体は、寧ろ普通の人間より頑強だからその点は心配いらないわよ」
「…答えを貰ったような貰ってないような…」
「そうね。ああ、人生経験の差に依る結論がひとつあるわ」
「?」
「自分の答えは自分で見つけるのよ。葉瑠子。どんなに素晴らしく例えそれを信じる事で全てが良くなるとしても、誰かの答えは誰かの答えよ。自分の答えじゃないわ」
「…見つけられるかな」
「さあね。その答えに”答え”はないわ。見つけられないという”答え”だって有ると思うのよ。あと彼が家の前に来てるわよ」
「そうか、答えがないというこた――――え!?」
「ほら、さっさと行った行った…ってそこは窓よ。葉瑠………まあ、いいか」

お酒は大丈夫かとか、アレは大丈夫かこれは問題ないか、というパッチテストじみたものは当然数栓項目実施済みなんだけど、まあ、聞かれるまでは言わなくていいか。頑張れ若人

――――と、冬はバイクに乗れなくてつまんないわー、とボヤキながら思うお袋βなのであった

そうして、

 2012/02/13

僅かな不安は口に出せぬまま。
察されていることには薄々気づいたまま。
それでも隣で、色々なものを共に見たいと願う。

多分、やっつのあたたかな目に見守られながら。

NAME
TITLE
MAIL
URL
COMMENT
PASS
"あらたぴ。" wrote all articles.
http://aratakun.blog.shinobi.jp/
PRODUCED BY NINJA TOOLS @ SAMURAI FACTORY Inc.
PR : 忍者ブログ × [PR]
 HOME